HOKKAIDO SOLO TOURING '93 1993年8月17日〜26日 with YAMAHA XTZ660 TENERE 8月24日(火)曇のち晴れ 午前5時30分、取り憑かれることなく無事に目が覚めた(笑) 最北端に吹く風は相変わらず強く冷たいが、何とも言えない良い朝だ。 最北端食堂はもうすでに営業準備にかかっている。 こんなに早く動き出すとはびっくりしたが、バスの始発時間と照らし合わせてみると納得。 たぶん日の出の時刻に合わせているのだろう。 さて、私は一夜を共にした仲間と別れて8時には稚内駅に来ていた。 まずはすっかり習慣になった朝の天気予報をチェック。 今日の宗谷地方は曇時々雨だ。 私はなるべく早く南下する事にした。 駅の立ち食いそばを食べて道道909号線を下る。 '91年に素通りしたドライブインに寄ってみる。 女性が一人で喫茶店を任されており、客はいない。 窓から見える景色は、日本海の荒波と曇り空だけ。 まさに最果て。 そんな事を感じながら暖かいコーヒーを飲み、落書き帳に記帳した。 1時間くらいすると空が雨空に変わってきた。 やばい! 急いで道道909号を稚咲内に向けて突っ走る。 ほとんど車のいないこの道は北海道でのBEST ROAD OF ONEだ。 稚咲内を左折しサロベツ原生花園を通過する。 この道道も大好きな道でなので、ゆっくりしたいのだが今にも雨が降ってきそうなので豊富駅までダッシュ! 駅前のA-Coopあたりで雨がポツポツ落ちてきた。 駅にバイクを止めて待合室に入ると、ついに土砂降りになった。 間一髪セーフ。 ここ2日間は寝不足だったので、今日は少ししんどい。 雨も降ってきたし、今日は羽幌までなのでここで少し休むことにした。 北海道の駅は待合い時間が長いためか、土地の人がいらなくなった本を持ち寄って、駅にミニライブラリーを作っている所が多い。 ここ豊富駅にも本が並んでいるので、その中から西村京太郎の"21世紀のブルース"を取り出しページをめくっていった。 90分くらい読んでいただろうか… 外へ出ると雨は上がっていたので走り出すことにする。 路面はまだ濡れているので、カッパの下だけ着用して南下した。 ここからは道道909号ではなく国道40号線で下ることにする。 天塩からは海沿いのオロロンラインへ出て淡々と走る。 '87年に見つけたお気に入りのポイント、岬公園へ入ってみる。 さすがに5年ぶりだけあって整備がされてメジャーな所になりつつあるようだ。 羽幌町に入る前くらいから、今はもう使われていない鉄道をよく見るようになる。 国鉄羽幌線跡だ。 '85年に来たときは小さな列車を見ることが出来たのだが、'87年に国鉄は分割民営化されてJRと名前を変え、ここ羽幌線をはじめ多くの路線が廃線となったのだ。 今はもう決して響くことのない汽笛を求めて、線路の上までバイクで行こうと試みたが危険防止のため道路と線路の交わるところは全て封鎖されていた。 国鉄跡のレールウェイが小さなトンネルの中へ消えて行く。 目を凝らしてその中を見てみる。 耳をすまして音を聞いてみるが列車は来ないし何も聞こえない。 こんな事で何とも言えない旅情を感じてしまうんだなぁ… 今度は失われた国鉄路線を尋ねるツーリングでもしようか・・・ 羽幌町に入りホクレンで給油。 夏のキャンペーンでもらえるツーリングマップとツーリングフラッグをもらい、5年ぶり3度目の吉里吉里にチェックインしました。 '88年にレンタカーで来たときは、まだB&B(ベッド&ブレックファースト)の方は出来ていなかったが、すっかり完成して素晴らしいエリアになっている。 アイスコーヒーを注文して'87・'88年に来た時に撮影してもらった写真を、大量のアルバムの中から探し出す。 でも索引がしっかりしているので来店した日か、その時に乗っていたバイクを覚えていればすぐに見つかる。 あった! あの頃のフォトグラフだ! 自分で保管してるものならいつでも見る事が出来るが、こうして遙か北の大地にだけ、たった1枚の写真があると、その写真から当時の自分が語りかけてくるようで格別なものがあるのだ。 これから道北を訪れる度に、必ず来店したい。 晩近くになって、この日同宿する男5人・女2人で日本海に沈む夕陽を見に行ったあと、久しぶりの洋食にありついた。 風呂に入ったあとはビール片手にアレコレと雑談。 空を見上げて目を凝らすこと30秒… 目が慣れてくると、いきなり天の川が広がった。 北海道最後の晩である。 |
![]() ![]() ![]() 道道909号線 オロロンライン ![]() 旧国鉄羽幌線跡 ![]() 岬公園の先端にて ![]() オロロンラインは こんな風景が延々と続く カフェ&宿 吉里吉里 |
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