北海道ツーリングレポート  北海道ツーリング HOMEへ
 初の北海道一人旅、初の道内全日程晴天、初のビッグオフ!
その小高い丘を登ると、別世界・・・・ 満月の下に根釧原野が広がっている。 ただただ広大な、黒々とした大地だ。
百八十度、遮るものひとつない大平原に、農家の小さな灯りが星の数より数倍希薄な密度でちらばっている・・・
ここ、中標津にある開陽台に憧れて、何度も足を運んだ北海道のトラベルレポートです。
ようやく北海道にも本格的な開発が始まった80年代、 ブームで賑わった90年代初頭…
あの頃にTOURINGできた事を嬉しく思う。
HOKKAIDO SOLO TOURING '93
1993年8月17日〜26日
with YAMAHA XTZ660 TENERE


8月22日(日)曇
久しぶりにゆっくり眠ったようだ。 体調も良い。
部屋を見渡してみると誰もいない。 そうか、全員で朝食をとることが出来ないので、私とチャリダー君が後半組で8時半からだったな。
時計を見ると時間なので急いで食堂へ行くと、チャリダーと他に3〜4人しかいない。 「他の人は?」と聞くと、もうすでに出発したらしい。
私の場合は今日の移動距離が少ないのでゆっくりしていたが、本来北海道を旅する人の朝は早いのだ。

食事後朝の記念撮影をして、大阪から来た愉快な二人組を見送った。
食堂に戻ってから、ここ上武佐を舞台に撮影された映画「遙かなる山の呼び声」の話をすると、オーナーはロケの時このあたりに住み着いており(内地の人です)エキストラでロケにも参加したとかで話が盛り上がりました。

旅好きな青年が、旅先であるここ上武佐に惚れて住みつき、旅人相手に宿を始めた。
そんな宿「ミルクロード」を9時30分に出発。
オーナーさんは真っ直ぐ続く道の真ん中で、私のバイクが見えなくなるまで手を振ってくれていた。 また"帰ってこよう"と思ってしまう…


開陽台は今にも泣き出しそうな空。
昨日よりもやや視界が悪いが、何とも言えない良い感じだ。
「ハイジの家」で朝のコーヒーを飲んで、しばらくゆっくりしていた。 地元中標津のライダーとおしゃべりした後、弟子屈方面へバイクを進めた。

初めて裏道で走る地区だが、相変わらず真っ直ぐである。
養老牛方面との分岐で、裏摩周方面の空を見ると真っ暗なので、小清水峠経由で網走へ抜けるのは断念。 久しぶりの美幌峠越え切り換えた。


パイロット国道を走り和琴半島で小休止。
雨こそ降ってこないが気温はかなり下がっていたので、ここから先はカッパを着用することにした。
その前に6年ぶりに「めぐみ屋」のじゃがいも団子を食べて想い出深い和琴半島を散歩。
美幌方面の空もも暗くなってきた。 景色は期待できないだろう…
そんな事を考えながらも峠目指して走り出した。

峠を登っていっても雨は降らないし、ガスがかかる訳でもない。
頂上の直前という所でバイクを止めた。 視界には中島を中心とした屈斜路湖が広がっている。  峠の頂上にはガスがかかっているみたいなので、ここで記念撮影をし頂上にある駐車場へ入っていった。

この時期、バイクの数は少ない。
展望台はガスがかかっていて真っ白である。 観光ツアーで来てる人達はがっかりしていた。 ここから見る屈斜路湖は絶品だからねぇ。
しかし何という寒さだろう。 暖房の効いた店内でホットコーヒーを飲み、美幌峠を後にした。


美幌町に入ったときには気温も上がったので、カッパは脱いで走った。
裏摩周・小清水峠をカットしたので時間に余裕がある。 能取岬へ行こう。
西側のダートもテネレなら走りきれるだろう。

網走駅前を通過して岬へ続く道にはいると通行止めの看板。 どうやら西側のダートを舗装工事しているようだ。 ピストンになって時間がかかるが、まぁ良い。 時間はたっぷりある。 運が良ければ、あの素晴らしい珊瑚草たちが見られるのだ。

港町を走り抜け、海を右手に見ながらのワインディングを行く。
岬が近づくと、道は海を離れて真っ直ぐな姿に変わる。
前方に人だかり発見。 追いついてみると名古屋ナンバーのスカイラインGTRが山側に刺さっているではないか。 若いドライバーが立ち尽くしているので怪我はないようだが、なんとも情けない姿である。 500万が飛びましたな(-_-)

ちょっと時期が早かったかな。
珊瑚草にはあとひと月ぐらい早く、有名な夕陽には2時間くらいか… 
とりあえずカメラマニアっぽい人に写真を撮ってもらう。 私の見込み通り、その人はファインダーの中心は何にするだのバックの風景は左右前後をどこまで入れるだの確認してからシャッターを切ってくれた(笑)
そして札幌から来たという老夫婦とバイクを通じて話をした。 その人は昔、某メーカーのテストドライバーだったそうで、先ほどのスカイラインの話題で盛り上がった。 さらには最近のバイクには興味があるらしく、バイク談議に花が咲いたが、婦人の「この人、ほんとに免許取りかねないから止めましょうよ(笑)」の言葉でキリがつき、先ほどの道を網走市街へ向けて走りだした。


市街地に入っても寄り道無しで西へ向けて走る。
町はずれのタバコ屋でマイルドセブン・スーパーライトを買って、今日の宿「船長の家」がある常呂町に着きました。

サロマ湖一の港町、常呂町は栄浦。 カニ市場の正面に真新しく改築された「船長の家」がある。 '86年に見たときとは全く違う印象だ。
駐車場にバイクを止めて中へはいると正面にいけすがあり右手にフロント、左手には大食堂だ。 いけすの橋を渡った右側には土産物屋まであり、すっかりホテル化している。 フロントで受付をすませ奥の部屋へと歩くにつれて昔の名残が残るフロアが現れ、完全にホテルになったわけではないことがわかる。
部屋は6畳で椅子にテーブル、空調機にテレビが完備され、これで2食付き\4800-は安いと唸ってしまった。

今日は今までにたまった汚れ物を洗うために早めのチェックイン(午後4時)なので、その行程を済ます。 5時過ぎにFJ1200のソロライダーが、5時半にはGPz750Rのソロライダーがチェックインして来て、同室の3人が揃う。 受付時に道内での移動手段を聞かれた訳がここでわかり、心憎い気遣いに、またまた唸ってしまった。

夕食の時間(午後6時40分)がきたので食堂へ行くと8人がけのテーブルに8人のソロライダーが集まった。 
ここでもにくい気遣いをしてくれたが、そんなことよりもカニ・蟹・かにのオンパレード! 
茹でたタラバ蟹・毛ガニが一人半パイづつ。 蟹の吸い物、蟹サラダ、蟹の天ぷらetc... 他にも大エビの塩焼きに、甘エビ・ボタンエビのボイル、ホタテのクリーム煮、刺身の盛り合わせ… とても食べきれないようなリッチなメニュー。 
これじゃ音に聞く友愛荘のメインメニューを凌いでいるではないか! しかも料金は半額以下… ってよか3分の1以下です。
皆は黙々と蟹を食べ始めたのだった。

食事も後半になると、ビールを飲みながらのツーリング談議に花が咲く。 
8人のライダーがいると8パターンの旅があるもので、とても盛り上がりました。 明日の早朝ツアーには皆で参加しようと意見がまとまったところで各自部屋へ。

部屋へ戻った後も、各自持ち寄った酒を出し色々な話が飛び交い「船長の家」の夜は更けていった。
 



中標津町 開陽台

開陽台 ハイジーの家



今日の中標津町



開陽台へ続く道



開陽台
下の駐車場にて



美幌峠より屈斜路湖を望む



サロマ湖に沈む夕陽





船長の家の夕食
※'95の写真転用






開陽台のパノラマ写真は

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