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 初の北海道一人旅、初の道内全日程晴天、初のビッグオフ!
その小高い丘を登ると、別世界・・・・ 満月の下に根釧原野が広がっている。 ただただ広大な、黒々とした大地だ。
百八十度、遮るものひとつない大平原に、農家の小さな灯りが星の数より数倍希薄な密度でちらばっている・・・
ここ、中標津にある開陽台に憧れて、何度も足を運んだ北海道のトラベルレポートです。
ようやく北海道にも本格的な開発が始まった80年代、 ブームで賑わった90年代初頭…
あの頃にTOURINGできた事を嬉しく思う。
HOKKAIDO SOLO TOURING '93
1993年8月17日〜26日
with YAMAHA XTZ660 TENERE


8月20日(金)晴れ
昨夜セブンイレブンで買ったパンを食べる。 駅で缶コーヒーを買って飲む。
いつものように(このスタイルが好きなんです)朝食を済ませて富良野市街を駆け抜けたのは午前7時。 
布部から再び麓郷へ入り、そこから東山線で国道へ出るルートをとってみた。
八幡丘に比べるといまいちの景色だが、こちらから麓郷へ登ったのなら間違いなく感動するHappy Runになるだろう。


いったんは国道へ出たものの、今度はトマム方面へ向かうため再び道道に入る。 今回は初めて走る道が多いので楽しみだ。 
この道はスーパーダートだと聞いていたがとんでもない。 トマムリゾートへマイカーで来られるように整備済み。 スーパーワインディングロードになっていた(笑)
緑の山々をバックにトマムリゾートのツインタワーホテルが見えてきた。 その前ではおじさん達がゴルフなんぞを楽しんでいる。 交通量も少ない、そして盆はずれのため人も少ないこんな山の中に、あんなタワーがありゴルフ場があるのには驚き。
ツインタワーの他にミニツインタワーホテルも建てられている。 10年後にはすごいリゾート地になってる事だろう…  あぁ恐ろしい。


日高国道を南下。
途中で日勝峠へ寄ろうかと迷ったがやめた。 今日の宿は久しぶり(6年ぶり)のえりも岬ユースホステルなので、早くチェックインしたかったためだ。
富川近くまで南下して日高ケンタッキーファーム方面へ抜けるため道道へ入る。 
ケンタッキーファーム手前から静内へ向かいたかったためなんだが… しかし左折するポイントがわからず道なりにケンタッキーファームまで来てしまった。
トイレに行きたかったので駐車場にバイクを止めて、すぐ隣にあるトイレを使おうとゲートをくぐったとたん「バイクは\500-です」とおじさんが半券を突きつける。 あ〜 だからツアー会社と連んでるところは嫌だ。
仕方なく\500-を払いピットイン。 そうせだからとファームの一番奥まで行きトイレに入った。 '88年以来2度目のファームを見学し、サラブレッド牧場に囲まれるケンタッキーファームを後にした。

ここまで来てしまっては道道まで戻ってる時間はない。 速やかに国道(サラブレッドロード)へ出て静内へ向かうことにする。
この国道はレーダーの取り締まりで有名。 注意して走っていたが一度も見なかった。 後で土地の人に聞いたのだが、レーダーで取り締まるのは7月下旬から盆が終わるまでらしい。

途中、ログハウスの喫茶店のカウンターでカルボナーラスパゲティーを食べる。 '86年に出来た店で、私は2度目。 なかなか感じの良い店です。
ここでも言われたのだが「19日から走り出した」というと「あんたは運がいいや」とよく言われる。 7月は晴天に恵まれたが気温が異常に低かった。 8月上旬から盆にかけては台風上陸で雨・風・低温の三重苦。 19日からは風も穏やかで晴天、やっと北海道らしい短い夏が訪れたそうだ。
そういえば昨日はほとんどTシャツ一枚で走ったし、今日は早朝出発にもかかわらずTシャツ+トレーナーで、昼前くらいからはトレーナーは腰に巻きっぱなしだ。 
'87・'88・'91年と雨知らずできて今年も出足はばっちり♪ 晴れ男の旅は良い旅になりそうです。


静内では桜並木道を通ってみた。 もちろん桜は咲いていないが、その道ときたらまるで滑走路である。 思いっきり広い道の両脇を桜の木がかためる。 その後ろは広大なサラブレッド牧場。 こんなのが10km程続くのだ。 今度は桜の季節に来たい(GW頃だとか)。
ここで驚いたことの一つにトイレがある。 市街地から一番手前にあるパーキングに洒落たトイレがあったのだ。 外から見るとガラス張りなのだ。 扉を引いて中にはいるとベンチと灰皿がありロビーみたいになっている。 そこから右に女性用、左に男性用の自動扉がある。 どうやら中は真っ暗のようだ。 ロビーはこんなに真っ白で明るいのに…
男性用の扉の前に立つとドアオープン。 それと同時に中の照明がパッと灯り室内にはモーツァルトがながれだした。 なんという演出だろう! 室内もウッド調で高級ホテルのようだった。


再びサラブレッドロードを南下、襟裳岬へ向けて走り出す。
気がつくと、バイクが一台私の後ろに付けている。 どうやらYAMAHAのセローだ。
トイレ休憩のため様似駅へ入ると、セローも入ってきた。 チャリダー(自転車旅行してる人)の先客もいて、3人でわいわい会話が弾む。 チャリダーは今夜ここで駅宿、セロー氏はなんと「えりも岬YH」。
今日は天気がよいので話はまとまった。 まず襟裳岬の夕陽を見てからユースへチェックインする事にして一緒に走り出す。

5時過ぎに岬に着いた。
あいにく雲が出てきて夕陽は見られそうもないので、ゼニガタアザラシを見つけに岬の下へ降りてみた。 しかしさすがに肉眼では無理なようです(笑)

僅かに赤みがかった西の空を後に、えりも岬YHに着いたのは午後6時。 6年前と違ってバイク客が多いのは嬉しい。


チェックインして荷物をベッドにほおり投げるとすぐに夕食。
食前酒&デザート付きの食事は相変わらずうまい。 テーブルを囲んだ仲間達とも会話がはずんだ。 この時期にいるライダーは"滞在1ヶ月目、帰るのは9月になってから"という人が多いので、楽しい話も聞けます。 まぁ、年ではたいてい私が一番上になるのでキャリアを活かしたエピソード話もうけたようです(笑)

8時からミーティングなので、荷物から着替えだけ取り出し、急いで風呂へ。
しかし風呂は満員(>_<) 仕方なく廊下つながりにある「喫茶えりもりえ」で時間をつぶしてから汗を流した。
するともう8時ではないか! 汚れ物をベッドに投げ込んでミーティングに参加。
さすがにかつてのパワーは無い。 歌も最近の新しい曲が混ぜられている。
しかし、えりもYH特有の心が和むイメージは残されたままでスタッフ(ヘルパー)達も楽しそうだ。 今日初めてここを訪れた人たちは、この日を一生忘れないだろう。

20代最後の夏にここを訪れて、果たして以前のように素直にとけ込めるかどうか不安があったが、いらぬ心配であった。
この宿は好き嫌いがはっきり分かれる宿だが、私は好きだな。 いつまでもこのまま残り続けて欲しい。
ミーティングの時にホステラー達を見渡すと私より年上がけっこういるではないか。 年があがっても良いところは良いと思える人は幸せだなぁ… と思うと同時に、いつかはここのオールナイトミーティング(年末年始)に参加したいと思いました。

メロン大会を経て「えりもりえ」に場所を移し、ビール片手に盛り上がったのは23時。
さらに場所をサンルームに変え、わいわいし出したのが24時。 6年前にこの宿で会ったマドカさんと再会。 お互い顔を覚えていたことの奇跡と、再会場所がえりもYHというのに感激。 26時過ぎまで会話ははずんだ。
明日は早朝ツアーに出るため4時半起きなので早く寝なければ、とベッドへ行くと部屋は真っ暗、荷物はぐちゃぐちゃ… 
仕方なく荷物の上で横になりトレーナーをかけて眠った。





トマム・リゾート

日高ケンタッキーファーム

民宿 仙庭
(えりも岬ユースホステル)








▼ライブカメラ▼

今日の日勝峠

今日の襟裳岬

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