北海道ツーリングレポート  北海道ツーリング HOMEへ
 初の北海道一人旅、初の道内全日程晴天、初のビッグオフ!
その小高い丘を登ると、別世界・・・・ 満月の下に根釧原野が広がっている。 ただただ広大な、黒々とした大地だ。
百八十度、遮るものひとつない大平原に、農家の小さな灯りが星の数より数倍希薄な密度でちらばっている・・・
ここ、中標津にある開陽台に憧れて、何度も足を運んだ北海道のトラベルレポートです。
ようやく北海道にも本格的な開発が始まった80年代、 ブームで賑わった90年代初頭…
あの頃にTOURINGできた事を嬉しく思う。
HOKKAIDO SOLO TOURING '93
1993年8月17日〜26日
with YAMAHA XTZ660 TENERE


8月19日(木)晴れ
午前3時、起床のアナウンスで目を覚ました。 
外に出てみると漁船の灯りと街灯りのコントラストがとてもきれいで感動した。 カメラで撮ろうと思ったが、ちょっと無理だろう…
ビデオカメラ(ブレンビー)を持ってきていたらと後悔した(-_-)


船を下りてテネレで走り出したのが午前4時半。 まだまだ暗い国道5号線を札幌へ向けて走る。 ヘッドライトの灯りが朝陽に変わるのも時間の問題。 今日は思ったより暖かいので、楽しい一日になるだろう。

午前6時に12号沿いにある岩見沢駅に着いた。 
6年前にもここで休んでいるので、とても懐かしい。 あの時雨宿りしたベンチが弁当屋に変わっていた以外は当時のままである。

午前7時、上砂川駅に着いた。 
ここは倉本聡の「昨日悲別で」の撮影がおこなわれた土地だが、ドラマを知らないので何とも言えない。 ドラマではこの駅が「悲別駅」としてそのまま使用されたためか、ホームには「かなしべつ」とかかれていた。


道道で国道38号に出て富良野に入った。
さっそくログハウスの喫茶店「北時計」へ行ってみたが10時からとのこと。 仕方ないのでこのあたりをバイクで散策してみた。 さすがにスキー場が近いだけあってペンションが多くきれいな町並みだ。
まだまだ時間があるので駅に行ってみることにした。 途中ワゴン車に乗ったカップルが私のバイクのナンバーを見て「お!地元地元」と話しかけてきた。 その人は尾張小牧ナンバーで、今日帰るそうだ。 う〜ん、北海道らしくなってきた♪

「北の国から」で有名な富良野駅に着いたのは午前8時半。 ここではCRM80に乗るライダーに声をかけられた。 同じ船で上陸した人で、船内のカラオケ大会での私を覚えていてくれたみたい。 色々話していると同じルートでここまで来ている。 上砂川と北時計周辺で使った時間分の差が660ccと80ccの差か(笑)

さて、10時前に「北時計」に来ると、オープン待ちをしている車が3台ありました。
とてもきれいな庭を抜けて店内へはいると、丸太小屋の木の香りにコーヒーの良い香りが混ざり合っている。 窓から入る日差しと合わせ、さわやかなモーニングを演出してた。
「北の国から」のロケスナップを見ながら、とても美味しいハヤシライスをいただきました。

「北時計」でインフォメーションマップをもらい、八幡東山線を八幡丘目指して走り出す。
途中ホクレンGSにて初めての給油をし、ダートの上り坂にかかりました。 
この道は「北の国から'87 初恋」で、大里えりが乗る自転車のチェーンが外れ、黒板純がチェーンをはめてあげた例の道である。 昇りのきついヘアピンカーブを走りながら「お! ここだここだ!」と感動しました。
それと、この坂から見える富良野市街の景色も素晴らしい!

ダートからアスファルトへと変わり、北村草太の牧場が現れる。 更に進むと中野沢小学校の分校がある。 たいていの場合ドラマでは建物とその周りの景色って違う場所でロケが行われるのだが、ここはドラマの中そのままだ。 ほとんど人もおらず、素晴らしい景色をゆっくりと楽しむことができた。 やはり盆の時期を外したのは正解だ。

道を外れて気の向くままにあちこち走ってみる。
このあたりはメインルートである東山線を外れると全ての道はダートと言っても良いだろう。 しかしそこには地元の人たちの日常があるわけで、ホリデーを楽しんでいる自分だけがガンガン走り回ることはできない。 農家の人たちの仕事や、つかの間の休憩時間を過ごす姿を見ながらゆっくりと進む。 ほんとに静かで、ゆったりとした時間を感じながらのツーリングはなかなか体験できるものではない。 しかもそこが北海道・富良野であることが私には嬉しい。 北へ南へ、気の向くままに走り回りました。


布部川に架かる小さな橋を渡り、麓郷の森に着きました。
ここは'91年以来2度目となるが、今回は「北の国から」のビデオをすべてみての訪問になるのでひと味違った。 黒板五郎の丸太小屋、あのストーブやベッド、風力発電たちから数々の名シーンが蘇る。
中畑木材やウッディービレッジ、「'92巣立ち」で使われた五郎の家を見学し、このドラマ発祥の地である「布部駅」へとバイクを走らせた。
「北の国から ここより始まる」という倉本聡の石碑が建っている。 誰もいないので、石碑の前にテネレを止めて写真を撮る。 すると近所の奥さんが2才のくらいの女の子を連れて私の前に来た。 奥さんの話によると、盆の時期はライダーがひっきりなしにやって来て写真を撮っていたそうだ。 駅宿する人も多く、その奥さんは自宅でのバーベキューの時にライダー達もさそって宴会をしたらしい(笑)


布部に1時間くらい板だろうか。 
その後は再び富良野駅へ戻って今度の予定を立てる。 本来なら今日と明日は富良野と美瑛をまわるつもりだったが、予定よりも早く富良野に着いたため、今日中に見たいところをまわることにした。 そうすれば道北方面にも行ける!
事前に予約してあった宿の宿泊日変更を申し込むとOKとのこと。(1軒ですが) やっぱ盆過ぎはよいかも〜 
そうと決まればこの晴天の中、早いとこ美瑛をまわってしまおう! 一路上富良野へ!


道道上富良野・十勝岳線を走る。
まっすぐな一本道を想像していたが、思ったより山道である。 楽しみにしていた十勝岳温泉は工事中のため通行止め(T_T) 仕方ないので十勝スカイラインで望岳台へ抜けることにする。 この道、ガイドブックなどでは十勝岳と白金岳をむすぶ"スカイライン"で、最高のルートのひとつ、フラットダートなのでロードバイクでもOK!と紹介してある。 しかし現実はとんでもないスーパーダート! 砂利が敷き詰めてあるわけでもなくデコボコ。 所々に粘土質の轍がありきついカーブも多く、さらにアップダウンしてる。 幸い私のテネレでは特にキツイわけではなかったが、ちょいと怖い思いはした(笑) リアに積んである荷物がなければ、リア加重で運転もちょっとは楽なんだがね〜 ロードバイクで来てたら転倒してたかも…

'86年に来た望岳台、白金温泉で楽しかった思い出に浸る。 望岳台と温泉をつなぐ道は整備されて走りやすくなっていたが、あのユース&ホテルは当時のまま。 何もかも皆懐かしいです。
そんな想いを抱きながら美瑛方面へ下ってゆく。 
途中、小さな小学校のある角を左へ折れてみる。 感に任せて美馬牛方面へ進路を変え、ジャガイモ畑のパッチワーク道路を走るのだ♪
右へ左へ緩やかに弧を描きながら道なりに走ってゆく。 グリーンとイエローの畑の上はブルーとホワイトで構成された空と雲。 
丘を見渡せる所でバイクを止める。 エンジンを切ると時間が止まったかのように静かだ。 これだけ静かだと畑の横で昼寝でもしたくなるが、そうも言ってられない。 日が沈む前に北美瑛の丘も見ておきたいのだ。

30分程度走ると道が分岐し出す。 気ままに東へ西へ走っていると写真ポイント発見。
先客がいてセローを風景の中に入れて写真を撮っている。挨拶を交わし私はダート道をもう少し奥へと進む。
この時言葉を交わした女性ライダーとは、この後何度もピースサインを交わすことになった(笑)

写真を撮って、さっきの彼女と同じ位置にバイクを止める。 カメラをかまえていると「撮りましょうか?」と女性の声。 振り返るとさっき歩いていた人ではないか(もちろん追い抜いてきた人です)。 本当はバイクと風景だけを撮りたかったが、断るのも何なのでお願いすることにした。 彼女はJRで大きく移動し、メインは徒歩での旅をしてるそうだ。 このあたりは歩くくらいがちょうど良い移動速度で、色々な事を発見したとか。 一番印象に残っているのは道に迷って農夫に道を尋ねた際、トラクターに乗せてもらったことだと言っていた。
しばらく話をして、私の今日の宿が決まっていないのを知ると「私が泊まってる民宿美馬牛なら空いてるよ、よかったらおいでね」と言葉を残し去っていった。


こんな静かな美馬牛で唯一観光地化された「拓真館」をすり抜け、今度は北美瑛へ向かった。
とりあえず有名な「かしわ園」へ行ってみる。 美瑛は'91年に来ていて2度目だが、ここは初めて。 いざ来てみるとキャンプ場があり、道一本隔ててパッチワークの丘が広がっている。 素敵なところだが、このあたりでは普通かな。 まぁキャンプが出来るってのがいいのだろうね。 キャンプ場では多くのライダーがテントを張っていた。 越冬組か(笑)

前回の北美瑛は早朝の姿、今回は夕方で少しだけ顔が違って見える。 セブンスターの木へは、前回は丘の上を走るアスファルトの道で行ったのだが、今回は下から上にある一本木を目指してダートを進む。 登り切ったところがセブンスターの木で、目の前には「かしわ園」のパノラマを10倍くらいにした風景が広がるのだ。 日本にもまだまだ素晴らしいところがあるね。

マイルドセブンの丘が広がるルートでこのあたりを一周。
帰り道にさしかかる所で、トラクター用に残してあるダートに入ってみる。 丘を一直線に登っていく狭いデコボコ道で、とても怖かったが登り切ったところで最後にもう一度素晴らしい景色を見ることが出来た。
私の登ったこの丘を、例のセローの女性ライダーが写真を撮っていた。 「何度もすれ違ったね」と北海道らしい会話がはずむ。


美瑛駅前の食堂で夕食をとり、またまた富良野へ駅へ。
駅は情報交換場所になってるし、土地の情報を入手するところでもある。 すっかり日が落ちた今でもライダーが集まって来ては去ってゆくのだ。 夜遅くまで話をしたり、街をふらふらしたりして駅前で寝ることにした。
今回の北海道での初夜。
 


上陸した今日の小樽

今日の岩見沢駅


草太の(フェニックス)牧場



中野沢小学校分校(公民館)



草太の牧場の前



八幡丘



東山線を脇道にはいると…



八幡丘から麓郷へ(杵次の橋)



五郎の家'92



燃えたはずの丸太小屋



中畑木材



布部駅



美馬牛



美馬牛で撮ってもらった写真



北美瑛セブンスターの木



マイルドセブンの丘より


今日の中富良野

今日の美瑛

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